曹洞宗の経典 妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈

曹洞宗の経典


妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈
(観音経:みょうほうれんげきょうかんぜおんぼさつふもんぼんげ) 



 
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上の観音経は、貞昌院客間に掲げている掛軸(先代住職の書)をスキャンし、意味がとりやすいように行変え再編したものです。
各行の先頭に行番号の数字が振ってあります。
それぞれに対応した読下しを下にまとめましたのであわせてご参照ください。

観音経読下し

1
世尊は妙相を具(そな)えたまえり 我 今重ねて彼を問いたてまつる  仏子は何の因縁あってか 名づけて観世音と為るやと
2
妙相を具足したまえる尊は 偈をもって無尽意に答えたまわく 汝 観音の行の 善く諸(もろもろ)の方所に応ずるを聴け
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弘誓の深きこと海の如し 劫を歴(ふ)るとも思議(しぎ)せじ 多千億の仏に侍(つか)えて 大清浄の願を発せり
4
我 汝が為に略して説かん 名を聞き及び身を見て 心に念じて空しく過ごさざれば 能(よ)く諸(もろもろの)の苦有るを滅す
5
たとえ害の意を興して 大いなる火の坑(あな)に推(お)し落さんに 彼の観音の力を念ぜば 火の坑は変じて池と成らん
6
或いは 巨海に漂流して 龍、魚、諸(もろもろ)の鬼の難あらんに 彼の観音の力を念ぜば 波浪も没すること能(あた)わじ
7
或いは 須弥(しゅみ)の峯に在って 人に推(お)し堕されんに 彼の観音の力を念ぜば 日の如くにして虚空(こくう)に住せん
8
或いは 悪人に逐(お)われて 金剛山より堕落せんに 彼の観音の力を念ぜば 一毛をも損ずること能わじ
9
或いは 怨賊(おんぞく)に かこまれ 各の刀を執(と)って害を加うるに値わんに 彼の観音の力を念ぜば 咸(ことごと)く即(たちま)ち慈心を起さん
10
或いは王難の苦に遭(あ)いて 刑せらるるに臨んで寿(じゅ)終らんと欲せんに 彼の観音の力を念ぜば 刀は尋(にわか)に段段に壊れなん
11
或いは 囚えられ枷鎖(くびかせくさり)に禁せられて 手足に手かせ足かせを被らんに 彼の観音の力を念ぜば 釈然として解脱することを得ん
12
呪詛(じゅそ)や諸の毒薬に 身を害せんと欲られん者 彼の観音の力を念ぜば 還(かえ)って その本人に著(つ)きなん
13
或いは 悪羅刹(あくらせつ) 毒龍(どくりゅう)諸の鬼等に遇わんに 彼の観音の力を念ぜば 時に悉(ことごと)く敢(あ)えて害せじ
14
若しは 悪獣に囲まれて 利き牙爪(きばつめ)の怖(おそ)るべきに 彼の観音の力を念ぜば 疾く無辺(むへん)の方に走りなん
15
とかげ 蛇及び蝮(まむし)蠍(さそり) 気毒(けどく)の煙火の然(も)ゆるごとくあらんに 彼の観音の力を念ぜば 声に尋(つ)いで自ら廻(かえ)り去らん
16
雲雷の雷掣(いなずま)を鼓し 雹(ひょう)を降らし 大いなる雨をそそがんに 彼の観音の力を念ぜば 時に応じて消散することを得ん
17
衆生の困厄(こんやく)を被(こうむ)って 無量の苦身に逼(せ)まらんに 観音妙智の力 能く世間の苦を救う
18
神通力(じんづうりき)を具足し 広く智の方便を修して 十方の諸(もろもろ)の国土に 身を現(あらわ)さざる刹(ところ)無し
19
種種の諸(もろもろ)の悪趣(あくしゅ) 地獄鬼畜生 生老病死の苦 以(も)って漸(ようや)く悉(ことごと)く滅せしむ
20
真の観(かん) 清浄の観 広大なる智慧の観 悲観及び慈観あり 常に願い常に瞻仰(あおぎみ)るべし
21
無垢(むく)清浄(しょうじょう)の光あって 慧日(えにち)諸(もろもろ)の闇を破り 能(ことごと)く災いの風火を伏して 普(あまね)く明らかに世間を照らす
22
悲体(ひたい)の戒は雷震(らいしん)のごとく 慈意(じい)の妙は大雲のごとく 甘露の法雨をそそぎ 煩悩のほのおを滅除(めつじょ)す
23
諍訟(いさかい)して官処を経(へ) 軍陣の中に怖畏(ふい)せんに 彼の観音の力を念ぜば 衆(もろもろ)の怨(うらみ)は悉(ことごと)く退散せん
24
妙音なる観世音は 梵音(ぼんのん)なり海潮音(かいちょうおん)なり 彼(か)の世間の音に勝(すぐ)れたり 是の故に須(すべから)く常に念ずべし
25
念念に疑いを生ずること勿(なか)れ 観世音なる浄聖(じょうしょう)は 苦悩と死厄(しやく)に於いて 能(よ)く為に依怙(えこ)と作(な)れり
26
一切の功徳を具して 慈眼をもって衆生を視(み)る 福聚の海は無量なり 是の故に応(まさ)に頂礼すべし
27
爾の時に持地菩薩 即ち座より起って、前んで仏にもうして言さく 世尊 若し衆生有って
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当に知るべし 是の人の功徳少からじ 是の観世音菩薩品の自在の業 普門示現の神通力を聞かん者は
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仏 是の普門品を説きたもう時 衆中の八万
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四千の衆生、皆無等等の阿耨多羅三藐三菩提の心を発しき。


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