年回法要の心得

年回法要の心得

はじめに 

 亡き方を偲び、その遺徳に感謝する日として追善の法要を営みます。これは、年回法要と呼ばれるもので、亡き人の年忌及び命日にあわせ行うのが一般的です。この供養を行うに当たっては、様々な決まり事がありますが、それは地域の伝統に根ざし、各家庭が大事に守ってきた約束事であります。

 しかし、今は核家族化が進み、古くからの習わし、しきたりが伝えられなくなっていますし、今の生活様式にあわせた現代的な解釈、形式も生まれてきています。
各地域や寺院によっても考え方、やり方は異なりますので「こうしなければならない」という決まりがあるわけではありませんが、法事を行なうに際しての基本的な準備の諸注意と心得について簡単にまとめてみたいと思います。

1、日程の調整

まず、ご法事を行うに当たって日程を決める必要があります。先に記したように、年回(一周忌・三回忌・七回忌等)にあわせ、命日(亡くなられた月日)より前の近い日に行います。

 この年忌に関しては、年回表などの形で年の始めなどに本堂に張り出されますので、お参りに行ったときに確認するのがよいでしょう。
もちろん諸般の事情で命日の近くで行えないこともりますし、お盆や正月というお寺の行事に当たってしまう場合は、一ヶ月前くらいになることもあるでしょう。特に最近では、法要が土日に集中しますので、希望する日時で行えない場合もあります。早めにお寺に問い合わせることをお奨めします。

  また、御夫婦の仏様の場合などは、どちらかの法要に併せて行うことも可能です。一周忌・三回忌等はそれぞれの仏様を単独で行うことが多いのですが、十三回忌と十七回忌等という場合、関係する仏様を併せて供養する事もあります。
 お寺と事前にご相談ください。

 年回早見表はこちらにあります

2、用意するもの

御位牌、お写真があれば、お持ちください。法要のあいだ、本尊様の前に安置いたします。 
そのほか、墓参用の御線香、お花などをご用意ください。 

 四十九日法要の場合は、新しい御位牌や仏像など、白木の御位牌、ご遺骨(納骨の場合)をお持ちください。御位牌や仏像には開眼(魂入れ)を行います。
地元の風習で、四十九日餅を用意する場合も多くあります。
納骨を行う場合は、前もって石屋さんにご連絡をお願いいたします。

 ご本尊様・供養の仏様に対してお花・果物・お菓子等のお供物がある場合は予め(前日や当日の朝)お持ちください。もちろん気持ちを添える事が大切なのですから、過剰にお飾りする必要はありません。また、ご親族の方々がお供えしたいという場合もあるでしょう。そのような時は、供物が重複しないよう事前の調整を行なうのがよいでしょう。

  また、沢山のお供物がある場合は、法要後に「仏様のお下がり」として参列者でお分けするのも良いことです。供養の品を皆で分け合って召し上がっていただければ何よりです。

3、卒塔婆(そとうば)

塔婆を上げるとき、施主(功徳主)の名前を間違って書く場合が少なくありません。特に親戚の方が上げられたときなど、一般的な文字ほど勘違いして知らせてきたり、くずし字ではっきりと判らなかったりして困惑する場合があります。さらに、名前の読み上げをすると思わぬ読み間違えをする事もあります。
塔婆の施主の名前をお寺に知らせる場合、名前は楷書ではっきりと、出来れば読み仮名も合わせてお書きください。
なお、卒塔婆 の御申込は、法要の一週間前までなるべく早くにいただけると有難いです。一本2千円戴いております。

 卒塔婆申込書はこちらにあります

4、お布施の表書き

よく質問されることに、お寺にお供えする「表書き」があります。基本的には「御布施」が一番無難です。「上」などと書く場合もあります。ただし「御経料」は料金のような感じが致しますので避けた方がよいでしょう。また「御膳料」や「御車代」などの場合は、適宜使用しても構いません。

 年回法要のお布施の額についての質問がよくありますが、施主様によりさまざまな考えもありますでしょうから御気持ちで構いません。何回忌なのか、参列人数、納骨や開眼を行うかなどによっても違うでしょう。
なお、御預かりした全ての御布施については、寺院法人会計(宗教法人の収入)として、貞昌院で責任をもって寺院の運営全般に資させていただいております。

5、法要

年回法要の時間は参列人数にもよりますが、大体30分程度とお考えください。
本堂には椅子が用意されていますので、足の痺れは心配ないでしょう。

 はじめに本尊上供(本尊さまへの御報恩)として、般若心経を読経いたします。
二番目の読経のときに、施主様より、本尊さまの前に出ていただき、御焼香をいただきます。  

 法要後は、控室で御茶とお菓子をご用意いたします。

6、設斎

法要後に、参列してくださった方へ食事を用意する場合、貞昌院の客殿が空いていれば、客殿を利用することも可能です。どうぞ、御気軽にご利用ください。 また、近くに幾つかの料理店がありますので、そちらを利用されるのも良いでしょう。お店のパンフレットは何種類かありますので、参考にして下さっても構いません。どうぞご自由にお選びください。

最後に

 年回法要は、地域や寺院によってしきたりや考え方は様々です。
分からないことがあっても自身勝手に判断したり、周りに振り舞わされたりすることのないよう、貞昌院に気軽に御相談下さい。

 

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